詩「お雛さま」

駅からの帰り道
春一番がわたしの髪を舞いあげる
片手で髪をおさえつつ
ふと見あげれば細い三日月
瞼を閉じたよう 安眠をお約束

わたしの部屋にはお雛さま
ことしは 男雛 女雛そして三人官女
お道具やお飾りは省いています
父と母 毎年飾ってくれたお雛さま
わたしのお雛さま 悲しいことにありません

いくとせの空白の時
いまのお飾りは二度目のお雛さま
セカンド・ヒナと名付けています
あしたは大安 いい日を選んでお片付け
晴れた日になることを祈っています

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