読書「食のパラドックス」

 著者は医学博士スティーブン・R・ガンドリーで、訳者が医学博士の白澤卓二氏です。こういう健康になるための本をたくさん読んでいますが、この本はあれを食べれば健康になれるというような内容ではなく、博士のユニークな食べ物に対する見方をしていましたのでおもしろいなあと思った次第です。

 一つは、玄米より白米のほうが人間の英知として体に良いと主張しています。私は妙に納得してしまいました。私は玄米を食べようと何回もチャレンジしましたが体調が悪くなるのでやめました。そんな私の体験から健康のための食事は100人が100人違っていていいと思うのです。自分の体は、自分が自分の体の声をきいて自分の食べ物を選択し、自分の責任で自分の健康を保つものだと思うのです。

 二つ目は、野菜や果物などの植物は人間などの動物に食べられるために存在しているのではない。植物はレクチンなどで動物に抵抗していると博士は主張しています。この論理でいくと動物を殺して食べるのを避ける菜食主義やビーガンは困ってしまいますね。植物は食べられて当然という論理が透けて見えますから(笑)。日本人であるからか、私は博士の主張を当たり前と思っています。

 なぜ日本人だと当たり前のことかというと、日本人は食べ物の植物や動物、その食べ物を作ってくれる農家、その食べ物を育てる大地と太陽、魚を育む海、海から魚を取ってくる漁師、その食べ物を運んでくれる人、その食べ物を料理する人、そうして係わってきた全てに感謝の祈りを込めて「いただきます」と言って食べています。そこには食べて当然、食べられて当然という思いが微塵もないからです。

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