小説「仏教のながれ2」その2

 そうしたところ6世紀になり天台大師という僧が現れました。天台大師は膨大な経文をひとつひとつ調べ、お釈迦様の経文のどれが高い教えか低い教えか浅い教えか深い教えかと経文を論理的に構成し整理してゆきました。そうしてお釈迦様の一切の教えを法華経を中心にして統括し法華経を依経とする天台法華宗を成立させました。なお、天台大師は天台山に住んでいたのでそう呼ばれました。

 天台大師はお釈迦様の一切経の高低浅深を分別するため五時八教を説かれました。当時、仏教の宗派は揚子江を中心にして南の三つと北の七つとがありました。それで天台大師はいわゆる南三北七の十人の僧の邪義を論破しました。すなわち、天台大師は五時八教を立て、法華経第一、涅槃経第二、華厳経第三と立てて法華経の正義を宣揚されました。(続く)

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