小説「仏教のながれ2」その4

 さて、日本にもこれら漢訳の経典がたくさん持ち込まれ、仏教が盛んとなりました。それぞれの経文によりそれぞれの宗派やお寺などが建立されましたことは隋の国と同じでございます。

  平安時代の始め(8世紀)、天皇はさらに仏教を深く学ばせるため遣唐使を四隻の船に便乗させて唐へ派遣しました。四隻のうち二隻が沈没するという文字通り命がけの航海でございました。無事、大陸に着岸した二隻の船の中に最澄(さいちょう)と空海(くうかい)という僧が乗っておりました。最澄は死後に朝廷より伝教大師の称号を賜り、空海は死後に朝廷より弘法大師の称号を賜りました。それぞれ大師の称号で有名になっておりますが、称号を賜る前のお話しになりますので以下では最澄と空海として書いてゆきます。(続く)

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