小説「仏教のながれ3」その8

 妙法蓮華経見宝塔品第十一「お釈迦様の前に七種の宝でできた塔がありました。それは高さ五百由旬(ごひゃくゆじゅん)、縦も横も二百五十由旬あり、地面より湧き出て、空中にとどまっていました」。一由旬とは帝王一日の行軍里程をいい、8kmぐらいの距離だそうです。そうすると高さ五百由旬は4千km、縦も横も二百五十由旬は2千kmというとてつもない大きさの塔となります。これが映画「天空の城ラピュタ」のように空中にとどまっているということです。これもお釈迦様がゼロ・ポイント・フィールドから情報を取り出したと思われます。

 なお、この宝塔はあまりの巨大さゆえ、ホログラムの三次元立体映像か、お釈迦様ご自身の心の中での展開か、あるいはそのミックスか、判断がつきかねますのでこれ以上書けません。ご了承ください。

 この品の後半から法華経はお釈迦様と全大衆が空中(虚空)に在住して展開されるところから虚空会(こくうえ)といわれます。霊鷲山は霊鷲山会(りょうじゅうせんえ)となります。法華経は、霊鷲山会→虚空会→霊鷲山会とお釈迦様の説かれる場所が移されます。(仏教のながれ4に続く)

小説「仏教のながれ3」その7

 「このとき、天は、曼陀羅華(まんだらけ)、魔訶曼陀羅華、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、魔訶曼珠沙華の花を雨と降らせて、それらがお釈迦様の上、および多くの大勢のもののうえに散りかかり、そして、お釈迦様の世界はひろく六種に震動しました」また「そのとき、お釈迦様は、眉間のところにある巻き毛から、光を放って、東方の一万八千の世界を照らされました」

 この多くの大勢を集め、花を雨と降らせ、大地を震動させたのはお釈迦様でございます。お釈迦様はゼロ・ポイント・フィールドから情報を取り出したと思われます。つまり、ゼロ・ポイント・フィールドには、この宇宙の過去、現在、未来のすべての出来事が「波動」としてホログラム構造で記録されています。これにより、ほぼ無限に近い膨大な情報を記録しています。「ホログラムとは映画『スター・ウォーズ』で主人公ルーク・スカイウォーカーの前に、レイヤ姫が、小さな投影機から三次元の立体映像として浮かび上がるシーンがあるが、あれがホログラムである(運気を磨く85頁)」

 お釈迦様はゼロ・ポイント・フィールドから取り出した情報を用いて霊鷲山で三次元の立体映像として浮かび上がせたのです。多くの大勢を集め、花を雨と降らせ、大地を震動させるのは簡単なことです。なお、上述しました「東方の一万八千の世界を照らされた」という「東方」とは過去のことです。ちなみに「西方」とは未来のことです。

小説「仏教のながれ3」その6

 妙法蓮華経序品第一「このようにわたくしは聞きました(如是我聞)。あるとき、お釈迦様は王舎城の町の郊外にある霊鷲山(りょうじゅうせん)のなかにとどまっておられました。大勢の出家修行者の集団の一万二千人と一緒でありました」という書き出しで始まります。この霊鷲山にはさらに続々と集まってきます。

学修のもの学修の完了したもの二千人、比丘尼六千人、菩薩八万人

神々の王である帝釈は天子の仲間二万、自在天子と大自在天子は天子の仲間三万

現実の世界の主である梵天王など天子の仲間一万二千、八つの竜王の各々の仲間百千の若干倍

四つの緊那羅王と各々の仲間百千の若干倍、四つの阿修羅王と各々の仲間百千の若干倍

四つの迦楼羅王と各々の仲間百千の若干倍、阿闍世王の仲間百千の若干倍