映画「君がぼくを見つけた日」The Time Traveler’s Wife

英語→字幕 主演: レイチェル・マクアダムス、エリック・バナ、アーリス・ハワード

 映画の解説「自分の意思とは関係なく、時空を超えて過去や未来へ行き来してしまう男ヘンリーと、そんな彼と運命的な出会いをし、結婚した女性クレアの生涯の恋を描いたラブストーリー」というSFに出でくるタイムトラベラーというフィクションを利用したおもしろい物語。

 それにしても一昨日の映画「君への誓い」と同じように夫婦における夫の妻を愛する気持ちが強く伝わってくる。その辺りが欠けていると自覚している私はいたたまれない。困ったものだ。映画から学んだことを活かさなければと思う日となりました。

独り言「白いブーツ」

 昔、70年安保闘争というのがあった。大学は正常に授業が行われず、校内をヘルメット姿の学生が闊歩していた。僕は学生運動には興味がなく図書室に入り浸って本ばかり読んだ。専門書ではなく小説を夢中になって読んでいた。

 12月に入るとあちこちでダンスパーティが開催される。大学に入ったとき懸命にダンスを習った。そんなパーティで一人の女性と知り合った。彼女はダンスが上手で僕は彼女にリードされながらダンスを楽しんだ。彼女とダンスするのが楽しみになった。僕たちは急速に近付いたが、別れるのも早かった。僕は彼女の気持ちに寄り添うことができなかった。

 別れてから彼女が田舎へ帰ることを友達伝えできいた。上野発の夜行列車で、日にちと列車の発車時刻をおしえてもらった。その日、大学では団交と称して学生側と大学側とが交渉していて、実際は理事長のつるし上げ集会が地下講堂で行われていた。図書室から出て来た僕は面白半分に野次馬気分で見ていた。「ハッ」として時計を見た。発車時刻が迫ってる。急いで山手線の駅に向かった。しかし、どう考えても間に合いそうもない。そこで、タクシーを拾って首都高速をぶっ飛ばしてもらった。上野駅には発車時刻の数分前に到着。お土産など買う時間はない。タクシーから飛び出し、突っ走って駅構内に入り、駅員につかみかかるようにして目指す列車の停車ホームを尋ねた。そうして目指すホームに駆け込んだ。

 彼女は中程の車両のドア横にうつむき加減に立っていた。僕を見つけるといつもの優しい笑顔に変わった。僕が来るのを待っていた。僕は駅構内を懸命に走ったので肩で息をはーはー弾ませ言葉が出ない。彼女の最初の言葉は「わざわざ来なくても良かったのに…」心にもないことを言う「遅くなってごめん」やっと言葉がでた。

 間もなく列車は動き出した。彼女はこのあと夜行列車の座席でどんな思いでいたのだろう。あのときはそこまで思いをはせることができなかった。いまごろ彼女の幸せを望んでる。僕はホームから列車を目で追った。列車の最後尾は展望車で左右の赤いテールランプが糸を引くように暗闇に消えていった。ドア横に立っていた彼女が履いてたのは真新しい白いブーツ。

映画「君への誓い」The Vow

英語→字幕 主演: チャニング・テイタム、レイチェル・マクアダムス、ジェシカ・マクナミー

 解説に「ある実在する夫婦のエピソードをベースにしたラブストーリー」とあり、この実在したというところに惹かれて観てしまった。幸せな新婚生活を送っていたレオとペイジは交通事故に遭い、ペイジが記憶の一部を失ってしまう。ペイジはレオと出会ってからの記憶が抜け落ち、レオはペイジのために出会いからやり直すが…。

 誓い合って結婚したのに2人の出会いからの記憶を失うと夫婦といっても実に曖昧な関係になってしまうものだと思った。映画の最後の方でレオがペイジに言った「君の幸せを望んでる」はいい言葉。レオの愛するペイジを大事に思う気持ちが美しい。ところで、私はこの映画を観ていて、苦い思いで昔の元カノのことを思い出した。あしたは映画ではなくその苦い思いのことを書こうと思う。映画ファンはあしたの投稿は無視してください。