エッセイ「二ヶ領用水の桜」

 初夏のような暖かい昼下がり、桜並木の桜の散り具合を観に行きました。二ヶ領用水の両岸の桜の花はほぼ散っていて葉桜となっています。つい数日前までの喧騒やスマホで写真を撮る人も見かけません。用水に覆いかぶさる桜の枝の若葉は日差しを受け緑色があざやかで木漏れ日が目にまぶしい。

 残っている桜のはなびらがまだ少しゆらゆらと川面に落ちてきます。そのひっそりと落ちてくるはなびらを見て初恋の人を想い出します。ただ遠くから片想いをつのらせていただけでした。記憶の中のその人は昔のままでいます。葉桜となった桜並木ですが、この時期、八重桜が彩りを添えています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA