小説「仏教のながれ2」その16

 また、密教が成立したのは7世紀ですからこれをお釈迦様のお説きなされた仏教と言われたならば、お釈迦様もさぞかし驚かれることでありましょう。密教の宗教儀式はもともとバラモン教やヒンズー教のものですからお釈迦様の仏教とは関係がありません。

 さらに、空海の持ち帰った大日経、金剛頂経は、お釈迦様が「四十余年。未顕真実」と説かれ、お釈迦様が42年の間、真実をあらわさずに説いた教えであり方便の教えであります。方便とは「ウソも方便」という言葉がありますように、お釈迦様が人々を仏教に導くためについたウソあるいは仮の教えということであります。

 そういうことでありますから真言密教の本尊である大日如来は方便の仏、仮に説かれた架空の仏ということになります。(続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA