映画「あの日のオルガン」

主演: 戸田恵梨香、大原櫻子、佐久間由衣

 2019年2月公開の作品。原作者は久保つぎこさんでこの映画の原作について語ったインタビューを読みました。この作家さん『ふたりのロッテ』を書いたエーリッヒ・ケストナーのファンなんですって。私はドイツ語の勉強をしていてその本を読みました。「ああ、そうなんだ~」なんとなくケストナー作品に通底する雰囲気を感じていました。

 あの戦争の末期、昭和19年(1944年)、東京都品川区にある戸越保育所が集団疎開を実行する物語で実話を基にしたものだそうです。学童疎開はすでに行われましたが、東京に残っているのは老人と女性と疎開できない幼児となりました。幼児についての疎開は政府からは何もなくごく一部の保育所の自主的なことのようです。親にとっても幼児にとっても辛い疎開です。双方の気持ちになり涙が止まりませんでした。

 私は戸越の近くに住んでいたことがあるので興味深く映画を観賞しました。この物語で、幼児53人が埼玉に疎開した翌年、昭和20年3月10日に東京大空襲があり10万人が焼き殺されました。その中でたくさんの幼児が焼き殺されたのです。私は戦争に対して怒りを込めて小説を書きました。その本を書いた際に東京大空襲について調べました。こんなことが出来るのは悪魔としか思えない。戦争は人間を悪魔にする。

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